2003年4月発行 No.63


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●ここに3冊の原子力防災マニュアル がある。
それぞれ非常に違った特色を持っている

●原子力防災研究会・市民マニュアルWGの『防災カレンダー』
「東海村の『わが家の防災マニュアル』を基本として」おり、村の指示に従って
退避・避難をするという考え方に貫かれている。
カレンダーの月ごとに東海村からのメッセージをわかりやすくまとめ、詳細情報をQ&A方式で紹介している。
「生活者の目線で企画した」のでそこここに細かいアドバイスがある。
「ヨウ素剤がない時はとろろ昆布を食べよう」は、すごくいい

●NGO原子力防災研究会の『避難心得帳』は、前書きにもあるように
国の対策が適切でない時に役立つよう作られた。
様々な場面を取り上げて対処方法を細かく説明している。
気象条件や原子力・放射線についての参考資料も豊富。
「放射能雲に巻き込まれてしまってから、雨のなかを逃げようとするのは諦めたほうがいいのです」
といわれると胸が痛い 。

●私たちの作った『T家の原子力防災マニュアル』の「基本的な考え方は
『とりあえず』『自分で』『避難する』ということ」である。
他の二つのマニュアルと大きく違うところは視点が徹底的に[個]であり、たった一つの
方針(逃げる)であるということだ。敢えてそうしている。

●防災を考えようとすると、どうしても視点が俯瞰になってしまうが、人は個別の事情を持ち、
思いもよらない行動をとる。
まず、「自分はどうする?」を徹底的に個別に考えた方が良いのではないか

●自分の家に車があるのにみんなで並んでバスを待つのか?
ねたきりの家族のためにいつまで救急車を待つのか?
ありとあらゆる想定で細かく適切な対処方法を他者が提案できるか?

ぜひこの3冊を手にとってご覧になり,
原子力防災を今一度考えてみてください。以下問合せ先です。

『防災カレンダー』 nBousai21@nifty.com
『避難心得帳』 水戸市見和2-255-5-103 根本方
『T家の原子力防災マニュアル』小金井市に放射能測定室を作った会 levelzero@earth.email.ne.jp

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